ペンギンアップデートが猛威を奮った4月から、はや2ヶ月が経ちました。影響を受け、順位が大きく下がったサイトも多いと思います。
ここでは、
・ペンギンアップデートとはそもそも何か?
・何を対象にしたのか?
・どうしたら回避できるのか?
・あるべき本来のサーチエンジン対策とは何か?
を説明していきます。
■ペンギンアップデートはどんなサイトを対象にしたの?
ところで、ペンギンアップデートはどんなサイトを対象にしたのでしょう?
1つは、有料の被リンクを購入しているサイト、
もう1つは、相互リンクサービスに登録しているサイトです。
■ペンギンアップデートから逃れるには
ここで、重要なポイントがあります。ペンギンアップデートから逃れるには、有料の被リンクを購入しているケースでも、相互リンクサービスに登録しているケースでも、被リンク元のサイト(自サイトに発リンクしてくれているサイト)の質と、アンカーテキストを含む前後の文章が、どれだけ一意性があるかということが重要です。
一意性を確保できていない被リンクは、たとえば、アンカーテキストが全て同じであるとか、被リンク元のサイトの文章が全て同じであるとか、そういったケースでは、ペンギンアップデートのペナルティを受けます。その逆に、被リンク元のコンテンツも、被リンクのアンカーテキストも一意性を確保できていれば、ペンギンのペナルティを受ける可能性はほぼありません。
■サーチエンジンの評価の高い被リンク
サーチエンジンの被リンクの評価は、被リンク元のサイト(自サイトに発リンクしてくれているサイト)の質が、たんなるブログや、オーソリティの低いサイト(ドメイン)では、評価はほぼゼロと言えます。当然、SEOとしての効果は全くありません。質が高い被リンクほど、サーチエンジンは高評価します。
有料の被リンク購入サービスの多くは、被リンク1000個単位でいくらといったようなサービスです。上場企業のSEM(広告関連)子会社などが提供しているサービスに多く見られる形式です。当然といえば当然ですよね。自社で提供しているブログサービスを何万〜何千万人という人が利用していれば、そのページに被リンクを忍ばせることは、提供側では自由にできます。
また、小さなSEO会社では、ブログや、RSSフィードを利用した自動生成サイトを大量に持ち、被リンク(発リンク)を自動で作成します。
■有料 被リンクの落とし穴(ペンギンからは逃げられない)
しかし、ここには大きな落とし穴があります。ペンギンアップデートは、購入したと思われる質の低い被リンク、たとえば、アンカーテキストが全て同じであるとか、明らかに、意味のないリンクサイトと判別できるものをターゲットにしますが、ペンギンアップデートがペナルティの対象とみなした被リンクは、全て削除しないかぎり、ペナルティは解除されないのです。
つまり、購入したペナルティ対象の被リンクは全て外さなければ、ペンギンアップデートのペナルティから回復できません。ところが、購入した数千、数万、数十万という被リンクは、自動で作成することはできても、自動で削除できません。
変な話ですよね。作成はできても、変更や削除はできない。これは被リンクを自動で作成するプログラムが、作成した被リンクの管理をする機能がついていないのです。作りっぱなしということです。
■SEO業界ってそんなにショボイの?
SEO業界は、2000年以降に誕生し、日本では2002年ごろから事業者が現れました。SEOにとって、被リンクが重要であるという考え方は、グーグルが存在しなければ無かった考え方です。グーグル以前のサーチエンジンは、コンテンツの質と、トラフィック量のみを評価していましたから。
被リンクを管理するプログラムと簡単に言ってしまえば簡単な話のように聞こえますが、コンテンツの差分管理を実装していないといけないので、ちょっとしたCMS(コンテンツマネジメントシステム)の、被リンク管理の機能のみ高機能化したシステムを構築するようなもので、その管理対象のサイトは、大手では数千万単位のサイト(URLまたはドメイン)になります。そして、その管理対象の上に作成された被リンク(発リンク)は、1ドメインに100個作成されていれば、数千万×100被リンク=数十億という単位になります。
これだけの、管理機能をそなえた市販されているCMSは、いまのところ、世界レベルでもパッケージとしては10もありません。特に、被リンクの強力な管理機能のあるCMSなど世界のどこにも存在しません。よって、被リンクは自動作成できるが、自動変更や、削除はできないのが現実です。事実、ペンギンアップデートで順位が下がってしまったので、委託しているSEO事業者に、「作成された数千の被リンクを削除してください」とオーダー出した会社にきた見積額は500万円代だったという有名な話があります。手作業で削除するしかないから、そういった金額になるのですね。
相互リンクサービスでも、同様です。被リンクの更新、削除が可能な相互リンクサービスを利用していない場合、サービスを退会しても被リンクは残るので、ペンギンアップデートの餌食になったサイトのペナルティを解除する方法はないのです。
SEO業界自体の歴史はとても浅く、しっかりとした被リンクの管理システムや、品質管理のシステムは存在しません。また、SEOという業界規模も、数百億と小さな業界です。大規模システムは1システムで数千億かかるシステムも多く、システム業界全体から見れば、SEO業界はとてもニッチな、数百億円の小さな市場です。ちなみにIT業界で、パッケージとSIをあわせた市場規模は約7兆円ですので、なぜSEO業界には大手が存在しないのかがよく解ります。
大手のSIerやベンダーがSEO業界向けのパッケージを開発しても、採算がとれないので作りませんし、SEO業界はシステム業界とは異なり、システムのことは全くと言っていいほどわからないので、もちろんそのような高機能なシステムを作ることはできません。SEO業界がしっかりとした管理手法とシステムを確立するのは、市場規模がもっと大きくならないと無理でしょう。
■基本に立ち返ろう グーグルの基本概念
さて、グーグルの基本概念は、「質の高いサイトから被リンクを受けているサイトは、良いサイトであり、みんなが見たいサイトである。だから、上位表示する。」という考えを打ち出し、その基本概念は、みごとに現実に即した解答でした。グーグルで検索すれば、自分のほしい情報が見つかるということに、多くの人が気づき、グーグルはサーチエンジンのシェアトップになりました。
そして、グーグルで上位表示させる方法として、被リンクを使う方法をSEO事業者は取り始めたのです。ここで、グーグルの基本概念を思い出してみましょう。「質の高いサイトから被リンクを受けているサイトは、良いサイトであり、みんなが見たいサイトである。だから、上位表示する。」です。「質の高いサイトから被リンクを受けている」ことが、前提条件になっています。
では、被リンク1000個単位でいくらといったようなサービスや、無作為な相互リンクサービスは、グーグルの基本概念に沿っているでしょうか???
違いますね。では、グーグルの基本概念に沿った被リンクを得ることができれば上位表示も可能ということになります。もちろん、薄っぺらなコンテンツで上位表示を実現することはできません。最低限必要なコンテンツがあるという前提条件です。
■実はすべてのペナルティを受けた被リンクを外さなくても・・・
※ペンギンアップデートのペナルティを受けた場合、ペナルティ対象の被リンクを全て削除しなくても、ペンギンのペナルティから開放される方法は、実はあります。しかし、この方法に気づいている事業者は国内でもほとんど見当たりません。
ペンギンアップデートからの回復方法は、ペナルティ対象の被リンクを全て外さなくても、思わぬ方法で可能だったりします。これは、SEOに精通していればいるほど見えなくなる、いつもミクロレベルで考えてはその答えには辿り着けません。マクロでグーグルをとらまえたとき、はじめて見えてくることかもしれません。
■ペンギンの影響を受けない被リンク(バックリンク)とは 後編
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■ページランク5以上のオールドドメインの使用方法
■オールドドメインのSEO効果の実験
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